専有部分と共用部分?マンションのリフォームで"出来ないコト"とは

専有部分と共用部分?マンションのリフォームで
マンションのリフォームで出来るコトと出来ないコト、特に専有部分と共用部分の違いについて分かりやすく解説しています。また区分所有法や管理規約における注意点や、マンションの構造・工法の違い、キッチンやトイレなどリフォームのよくある質問も紹介。

目次


1. マンションの専有部分と共用部分とは?
 1-1. リフォームできるのは専有部分だけ
 1-2. 共用部分とは?
 1-3. 住戸内は概ねリフォーム可能
 1-4. 住戸内にも共用部分がある

2. 管理規約で必ず確認をしよう
 2-1. 「区分所有法」とは?
 2-2. 「マンション標準管理規約」とは?
 2-3. マンションの「管理規約」と「使用細則」とは?

3. 工法によって大きく違う!マンションの構造2タイプ
 3-1. ラーメン構造とは?
 3-2. 壁式構造とは?
 3-3. ラーメン構造と壁式構造のメリット比較
 3-4. 「ラーメン構造」と「壁式構造」、リフォームにはどっちが有利?
 3-5. 壁式構造で、外せる壁の確認方法

4. マンションリフォームでよくある質問
 4-1. マンションの間取りは変更できる?
 4-2. キッチンやトイレなどを最新に交換できる?
 4-3. キッチンやトイレなどを移動できる?
 3-4. サッシや窓ガラスは交換できる?
 3-5. 床をフローリングに変えられる?




1. マンションの専有部分と共用部分とは?


マンションの専有部分と共用部分とは?

1-1. リフォームできるのは専有部分だけ


マンションのスペースには、「専有部分」と「共用部分」があります。
「専有部分」とは、自分が所有し、その管理も自分の責任で行うエリアを指しており、この部分はリフォームすることが可能なところです。

一方「共用部分」とは、居住者が共同で利用したり管理したりする部分のこと。
マンション全体の所有物となるので、管理組合が維持や修繕などを行います。

この「共用部分」は、原則リフォームすることができません。
一般的なマンションだと、玄関ホール、階段・廊下、エレベーター、郵便ボックス、会議室・ラウンジなどの施設、ゴミ置き場、配管、配線、機械室、避雷針などは「共用部分」になります。

また、マンションの資産価値に影響するものも共用部分になります。
構造上重要となる躯体部分であったり、マンションの美観に関するものなど、共同で管理すべきものは「共用部分」となります。

マンションのリフォームを考える際には、まず「専有部分」と「共用部分」の区別を正しく理解しておきましょう。

一戸建ての場合はこちら▼
参考記事:一戸建て住宅のリフォーム可能な間取り変更の範囲とは?構造や工法を解説

1-3. 住戸内は概ねリフォーム可能


住戸内の内装については、ほとんどリフォームが可能です。

壁、天井、床の張り替え、キッチンやトイレ、サニタリースペースなど水回り設備の交換、照明の位置を変えるための配管・配線工事など、結構いろいろできます。

大掛かりなリフォームで間取りを変更することも可能です。

専有部分


・間仕切り壁
・給排水管の枝管

共用部分


・躯体
・玄関ドア
・パイプスペース
・メーターボックス
・メーターまでの配線・配管

専有使用の共用部分


・バルコニー
・サッシ、窓ガラス

バルコニーは共用部分ですので、たしかにフェンスや手すりに手を加えることはできません。
しかし、デッキやトレリス(園芸用資材)など床に固定しないものは設置可能だったりします。

1-4. 住戸内にも共用部分がある


ちょっと紛らわしいのは、私たちが住む住戸内のエリアにおいても、共用部分があるという点。
柱などの躯体部分だけでなく、玄関ドアや窓ガラス、サッシなども共用部分になります。

玄関ドアや外壁などは、住居者が各々好きな色に塗り替えたり取り替えたりすると、マンション全体の美観を損ないます。
それはマンションの資産価値を低下させることになるため、住民が勝手にリフォームすることはできないことになっています。

玄関ドアでリフォームできる所と言えば、鍵の交換や内側の塗り替えくらいですね。
外側の色については10年に1度の大規模修繕のときなどに、全戸まとめて行われます。

サッシについては割れたものを同質のものに交換するなどは可能です。

また、勘違いしやすいのですが、バルコニーや専有部分などは、その住戸の住人にしか利用できないにも関わらず、共用部分です。
「専有使用が認められている共用部分」と定められており、美観の問題だけでなく、いざというときには避難通路にもなりますよね。

ここはリフォームが禁じられているだけでなく、避難を妨げる物置のようなものを設置することも認められていません。


2. 管理規約で必ず確認をしよう


管理規約で必ず確認をしよう

これまで上に述べて来たものはあくまで一般的な区分です。
それは「区分所有法」や国土交通省の「マンション標準管理規約」に沿って説明したからです。

実際には、専有部分と共用部分の区分けは個々のマンションの「管理規約」に、具体的に定められています。
これをチェックしなければ、正確な区分は分かりません。

法律である「区分所有法」に抵触しない限りは、「管理規約」の定めが優先されます。
また、「マンション標準管理規約」は、国土交通省が推奨する標準のモデルなので、管理規約の作成や変更の際には参考にされることはありますが、同じである必要はありません。
つまり、マンションのリフォームにおいては「管理規約」と「使用細則」を注意して確認しておかねばなりません。

2-1. 「区分所有法」とは?


「区分所有法」とは、正しくは「建物の区分所有等に関する法律」といい、マンションなどのように、1棟の建物の一部分を区分して所有権の目的とする場合の法律です。
具体的には、建物や敷地の所有関係を定め、それを共同して管理する方法などについて定められています。
マンションの各住戸の所有者を、正しくは「区分所有者」と呼びます。

2-2. 「マンション標準管理規約」とは?


「マンション標準管理規約」とは、国土交通省が管理規約の標準モデルとして作成・公開しているものです。
必ずその通り準拠しなければならないものではなく、個々のマンションの実際に応じて、管理組合が管理規約を制定・変更する際に参考にするという位置づけのものです。

2-3. マンションの「管理規約」と「使用細則」とは?


「管理規約」とは、住居者の円滑な共同生活維持のために、建物や敷地の維持・管理や使用に関して区分所有者が自主的に定めたルールのことです。

「使用細則」は、その「管理規約」を補って、共同で暮らすための細かいルールを定めたもの。
これらは、それぞれのマンションで独自に定められています。


3. 工法によって大きく違う!マンションの構造2タイプ


管理規約で必ず確認をしよう

マンションの構造にはいくつかの種類があります。
鉄とコンクリートで作られるマンションの種類は、大きく2種類。
「ラーメン構造」と「壁式構造」です。

3-1. ラーメン構造とは?


ラーメン構造とは、鉄筋コンクリートの柱と梁で骨組みを造り、それに床パネルと壁パネルをセットして建物を構成するものです。
現在、多くのマンションがこのラーメン構造で建設されています。

なぜ「ラーメン」という名前なのかというと、その理由には諸説あり。。。
ドイツ語で「骨組み」の意味であるとか、フランス語で「額縁」という意味が語源となったなどの説があります。
または、面を押しつぶして密度を高め頑丈にしたものを「拉面」と呼ぶことから来ているといった説も。

まぁ語源についてははっきりとは分かりませんが、名称を覚えておくと良いでしょう。

3-2. 壁式構造とは?


壁式構造とは、壁面と床面で「大きな箱」を形成して、建物を支える構造を指します。
つまり、壁全体が柱、床全体が梁の役目を果たしている訳ですね。

戸建住宅における在来軸組工法が「ラーメン構造」にあたり、2x4工法が壁式構造と同じになるわけです。

3-3. ラーメン構造と壁式構造のメリット比較


ラーメン構造の場合、柱と梁の出っ張りができてしまいます。
この出っ張り、最近は室内側ではなく、室外側に出す方式が多いですが、どちらにしても出っ張りは生じます。

その点、壁式構造には柱や梁がありませんから、出っ張りは生じません。
室内がスッキリします。

しかし、だからといって必ずしも壁式構造が優れているとは言えません。
室内がスッキリする一方で、下層階との壁と床を分厚くしなければならなくなります。

分厚い壁と床を造るなら、太い柱と梁で建物を支えた方が現実的です。
なので、壁式構造は4階建てまでの低層マンションに採用されるのが一般的です。

「ラーメン構造」は高層マンション中心、「壁式構造」は低層限定と考えれば良いでしょう。

3-4. 「ラーメン構造」と「壁式構造」、リフォームにはどっちが有利?


では、「ラーメン構造」と「壁式構造」、どちらのほうがリフォームするのに適した構造なのでしょうか?

それはずばり、「ラーメン構造」です。

壁式構造で壁と床だけで建物を支えるには強度が足りない事が多く、住戸内の中央付近に、建物を支えるための壁が設置されていることが多いのです。
これは構造壁なので、間仕切りといえど、取り除いたり、ぶち抜いたりすることができません。

一方、ラーメン構造の場合は住戸内の部屋と部屋を区切っているのは、石膏ボードを主体とした間仕切り壁であることがほとんど。
なので、自由に取りはずコトが可能で、スケルトンリフォームも可能です。

よって、ラーメン構造のほうがリフォームの自由度が高くなると言えるでしょう。

3-5. 壁式構造で、外せる壁の確認方法


壁式構造には、外せない壁と外せる壁があります。
そのうち外せる壁かどうかを確認するには、大きく2つの方法があります。

一つは叩いてみること。
中が空洞になっている音がすれば、取り外せる公算大です。

しかし、コンクリートが詰まっている感じで叩いた音がしなければ、構造壁と考えてよいでしょう。

もう一つの方法は、監理事務所に行って施工図を見せてもらうことです。
監理組合では、設計図と施工図を保管しています。

施工図とは、「設計図の通りに工事しようとしたが、実際にはこのように造った」という図面。
これを見れば、鉄筋コンクリートによる構造壁か、石膏ボードによる間仕切り壁かということが、すぐに分かります。


4. マンションリフォームでよくある質問


マンションリフォームでよくある質問

4-1. マンションの間取りは変更できる?


室内の間仕切り壁を撤去したり、新しく設置したりすることで、間取りを変更することは可能です。
ただし、構造上の重要な耐力壁やパイプスペースなどの壁は撤去できません。

また、間取りの変更は、壁と繋がっている床や天井の改修も伴い、電気配線の移動も必要となります。
リフォーム費用が高額になることは頭に入れておきましょう。

4-2. キッチンやトイレなどを最新に交換できる?


キッチンや洗面台、便器、浴槽などの水回りは、サイズが合えば交換可能です。
浴室全体を交換したり、和式から洋式にトイレを交換する場合は、床や壁を含む全体の改修工事が必要になります。

また、温水洗浄便座に交換する場合、コンセントがいるので、配線工事も必要になります。
交換するもののレベルによって、費用も大きくかわってきます。

4-3. キッチンやトイレなどを移動できる?


水回りの移動には、給水や排水、換気のための配管工事が伴います。
マンションでは共用の排水管や換気の出口は移動できないので、場所によっては住戸内の配管が前より長くなります。

そうすると、天井や床下の空間が十分にないと排水の流れが悪くなったり、換気能力が落ちたりするので、必ずしも希望通りにリフォームできないこともあります。

4-4. サッシや窓ガラスは交換できる?


サッシや窓ガラスは共用部分なので、勝手に変えることはできません。
しかし、管理組合によっては指定したサッシやガラスであれば交換可能という場合もありますので、確認してみてください。

4-5. 床をフローリングに変えられる?


管理規約で制限がなければ、床をフローリングに変えられます。
管理規約で禁止されていたり、近隣住人の承諾を求めなければならない場合があります。

また上下階の音の問題が生じるため、遮音性能などの規制を設けている場合もあります。
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