地震対策の前にやるべき「耐震診断」とは?調査内容と費用について

地震対策の前にやるべき「耐震診断」とは?調査内容と費用について
自宅の耐震診断を依頼する際の具体的な方法や調査内容、費用の相場について紹介しています。より簡易的な一般診断法であれば、所要時間も少なくておすすめ。外部の基礎や外壁、屋根、内部の壁、床、天井、床下や天井裏など、色々な場所について総合的にチェックしてくれます。

自宅の耐震性が不安なら耐震診断を受けるのがオススメ


「築年数が古い」「劣化が気になる」「地盤が弱い?」など、自宅の耐震性に不安を感じたら、専門家の耐震診断を受けましょう。
そのためには、どこに相談したらよいか、費用はどのくらいかかるのか、などの疑問にお答えします。

まずは役所へ問い合わせ


住宅の築年が1981年より前であれば、専門家に耐震診断を頼むべきです。
また、2000年にも木造住宅の耐震性に関わる法令が強化されたので、2000年以前の建物も、できれば診断を受けましょう。

まず、市区町村の担当窓口か、地域の建築士会や建築士事務所協会に問い合わせます。
耐震診断を行う地域の工務店や建築設計事務所を紹介してくれます。
いきなり訪問してきた業者に、耐震性について不安をかきたてられても、すぐには応じず役所に相談してください。

また、お住まいの地域で、市区町村や建築士会など公的機関が主催する、耐震診断・改修の相談会が催されることがあり、そういった情報も役所で得ることができます。

耐震診断は誰がやってくれるの?


市区町村では、耐震診断を行う者の資格を木造建築士、二級建築士、一級建築士の有資格者に限定しているところが多く、さらに独自の講習会を受講した者や、その自治体に登録している事業者に限っている市区町村もあります。
診断方法は、日本建築防災協会による『木造住宅の耐震診断と耐震補「強』に沿って行うように規定されている場合がほとんどです。

2種類ある診断法


「木造住宅の耐震診断と耐震補強」による診断法には、2つの方式があります。

一般診断法
耐震補強などが必要かどうかの判断を目的としており、通常用いられるのはこの「一般診断法」です。
大地震での倒壊の可能性について、地盤・基礎の検討、上部構造(基礎から上の部分)の耐力を診断し、総合評価します。

一般診断法では、原則として非破「壊による調査で分かる範囲の情報に基づくものとしています。
対象は来軸組構法、伝統的構法、ツーバイフォー工法の3階建てまでとし、丸太組構法、プレハブ工法は適用範囲外になります。

精密診断法
より詳細で焦点を絞った回答を得るために、広く細かな情報を集めて計算を行うのが「精密診断法」です。
したがって、改修内容を絞り込んで計画することが可能となります。

基本的には構造体全体について、劣化や接合部の状態を調べるため、診断時にいったん仕上げを剥がすなどの工事が必要です。
その分一般診断に比べて費用がかかるので、明らかに補強の必要性が高いと思われる建物について行うのが普通。

一般診断の調査の概要


調査当日に聞かれること


・建築年(増築や改築の時期も)
・建築業者
・旧住宅金融公庫利用の有無
・盛土の有無
・床や壁の傾き

調査場所


・図面と建物の整合を確認するため家中の部屋を見る
・床下や天井裏も見る
・床下はキッチンなどの床下収納庫を外して覗く
・床下収納がない場合は、豊を上げて下地板を外す
・天井裏は押入れ天井の板を外して見る

所要時間


・問診の時間を含めて、2~3時間が目安
・建物の外側も見るため明るい時間帯に行う

一般診断の費用と調査の準備


費用は診断事業者が独自に決めていますが、一般診断で2~3万円の間が多いようです。
必要な図面がなくて図面起こしが必要な場合は、さらに費用がかかることもあります。

精密診断は調査に手間がかかり、計算方法も業者により異なるため、ケースバイケース。

市区町村などが行う耐震診断相談会などでは、図面を持参すると無料で簡易耐震診断を受けられる場合もあります。
ただし、診断する人が実際に現場を見ておらず、建物の劣化判断が正確ではないので、この結果は参考程一度と心得ておきましょう。

診断費用の助成


全国の市区町村で、耐震診断に補助金を設けているところは少なくありません。
診断費用の半額を上限としたり、最高5万円までなど、助成額はさまざまですが、是非利用したいものです。

耐震診断や耐震補強に対する市区町村の助成を受けるには、先に述べたような診断者と診断方法で行うことが前提となります。
また、対象を1981年より前の建物に限っている自治体が殆どです。

調査には図面を用意


調査には、平面図や立面図などの図面類が必要です。
建築確認の図面一式(A2版などの大きさで図面がかかれたものや、A4版の書類がまとめられたもので、建築主事の確認印が押されている)を用意しましょう。

構造図を含んだ詳細な図面があれば好都合です。
図面がなければ、診断を行う人が現場を見て作成します。
調査で聞かれることや調査場所などについては、表をご覧ください。

一般診断で調査されるもの


専門家に調査を依頼して一般診断をしてもらうと、まずは家の各部を調査します。
調査する人は、どんなところを、なぜ見るのか。
ここではその概要を解説します。

見るべき項目と箇所


耐震診断の一般診断法は、目視で確認できる範囲を調査し、診断する簡易な方法です。
建物の基礎と耐力壁が接合している部分の状態、全体の傷み具合などを見ることで、構造部分の強度を判断します。

また屋根や外壁の重さを知るために仕上げ材料を確認し、地盤の強さと建物の平面形なども参考にして、その建物に必要な強度を判断します。

そのため、外まわりと室内だけでなく、床下や天井裏・小屋裏の状況の調査が必須。
調査で的確な情報を得られるかどうかが、診断の精度に影響することとなります。

外部調査
建物がどんな仕上げ材でつくられているか、その劣化具合はどうか、基礎の形状、外周の地面の様子などを確認します。
屋根面は敷地内で見ることが難しい場合もあり、道路など離れた場所から確認します。

内部調査
床、壁、天井の仕上げ材を確認し、劣化、変色、変形などを見ます。
雨漏りは、構造体を腐らせている心配があるので、雨漏り痕が室内に現れているかどうかは重要です。
床の傾きや家中の建具の建付けの不良などは、家の傾きを疑うサインです。

床下調査
床下のスペースが狭く、調査者が入り込むことが難しい住宅は少なく「ありません。
その場合はデジタルカメラを有効に使って、要所を撮影することで、目視の調査に代えます。

天井裏、小屋裏
構造材や筋かいの寸法や位置、接合方法が主な確認事項となります。
小屋裏はともかく、1階の天井裏には入れないことがほとんどなので、デジタルカメラを活用します


各部のチェックポイント


外部
基礎:形状の確認、布基礎、ブロック基礎・玉石基礎の別、クラックの有無、連続性
土間:破断や傾きの有無
外壁:仕上げ材の確認、傷み・クラックの有無
屋根:葺き材の確認、勾配の確認、傷みの確認

内部
天井;雨漏り痕の有無
壁:雨漏り痕の有無、ねじれ・クラックの有無、仕上げ材の傷み具合
床:傾き、たわみ・床鳴り、仕上げ材の痛み
建具:引戸や扉の建て付けの確認
浴室:タイルの割れ、目地のクラック、仕上げ材の変色・たわみ、枠材の傷み、蟻害

床下
全体:湿気・カビ臭・蟻道の有無、高さ
木部:魔朽、蟻害、湿り気
基礎:連続性、クラック
筋かい:有無、寸法、接合方法
土台、東、大引、根太:寸法、間隔、継手の状態
アンカーボルト:有無、間隔

天井裏・小屋裏
全体:雨漏り痕の有無
換気口:有無
火打ち、小屋筋かい:有無、接合方法
筋かい:有無、寸法、接合方法
梁:継手・仕口の状態、接合方法
垂木:端部の留めつけ


まとめ


自宅の耐震性が心配になったときには、2~3万円で受けられるような耐震診断を受けるのがオススメです。
外部の基礎や外壁、屋根、内部の壁、床、天井、床下や天井裏など、色々な場所について総合的にチェックしてくれます。

問診を含めても数時間で終わり、数万円程度のものなので、気軽に受けられます。
将来の不安が払拭できると考えると、安いものだとも考えられるでしょう。

また、土地環境や地盤調査の方法と対策については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考ください。


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